カテゴリー : 4.フイルム現像

作業の流れ・1 現像タンクにフィルムをセットするまで

以下作業に入る前に、各処理液の温度も調節しておきますと、あとあと作業が楽です。

まず、現像液、停止液(使用する場合)定着液、その他使用する薬品を事前に規定の温度にしておきます。
あとで迷わないようにビーカーに何液か書いておくと安心です。また、あまりに室温と液温との温度差があるとまずいです。エアコン、ヒーター 等で,出来れば現像温度プラスマイナス5℃以内にしておきましょう。

無理なら、 タンクを湯煎または冷やし、規定の温度にする必要もあります。現像液と同じ温度の水に各処理液を入れた容器を 浸しておくと良いです。

では本題に入りますが、初めにご注意を。
初めての方へ。 いよいよ作業に入りますけど、初めから巧くいくとは、、、考えない方が無難です(笑)
間違っても大切な彼女のまる秘ポートレイトを撮ったフィルムをいきなし現像しよう、等とは 努々考えないように!!責任絶対に持ちません。

フィルムをリールに巻き、タンクに収納します。すこしコツが必要です。練習用フィルム(なんでもいいです)を用意して、明るいところで何度も巻く練習しておきましょう。まず、ベロ出し等でフィルムの先を出してやります。

次に、

フィルムの先の切り欠きの部分
(細くなってる部)
をはさみ等でカットします。
(ベロ出しが無い場合、あるいはベロ出しで巧く引き出せない場合は
暗室、あるいはダークバック内でパトローネを壊してフィルムをリールに
巻きつけます。慣れて来ればこのほうが作業は早いかもしれません)
フィルムの先端のパーフォレーションをリール中心部の「爪」に 引っ掛け、
少しだけ巻いておきます。
注)あまり巻き過ぎると1駒目が出てきてしまいます 気をつけて。


リールのメーカーによって、中心部のフィルムを引っ掛ける構造が違います。

1__細い針金のバネにフィルム先端を挟むタイプ
2__パーフォレーションを爪に引っ掛けるタイプ(これが一番楽)
3__そして、なにも引っ掛ける「仕掛け」の無い物。 3のタイプは最近見かけなくなりましたが、まだ、時々あります。ちょっとコツがいります(引っ掛けるというより、さし込む感じになります)が、明るい所での作業なら、さほど難しくありませんので、(どのタイプであっても)
パトローネを壊さずに(ベロ出しを使って)上記の状態までは明るい場所で作業する事をお勧めいたします。

上の写真の状態にしたら、ここで、暗くします。(あるいは、ダークバック内で作業します)

フィルムをリールに巻いていきます。見えない中での作業ですが、焦らず、ゆっくり!巻きこむ際、フィルムを引っ張って、きつく巻いてはいけません。フィルムを押すように、リールに送りこむように ゆったりと巻いていって下さい。こうすることにより、フィルムに「気泡」による現像ムラが発生し難くなります。(このへんは難しいので、少しづつ慣れて行ってください)

巻き終えたら、パトローネの芯とフィルムをはさみ等で切り離し、現像タンクにリールを収め、
フタをきちんと閉じます。

あとは明るい場所での作業となります。

*巧く巻けました? 始めはなかなか巧くいかないです.ダークバックの中で「手が汗ばみ」、
自暴自棄になる、暗室内でタンクの蓋の場所がワカラズ、探している時、
何かに頭をこっぴどくぶつける・・どうせ、誰も見ていません。
落ち着いてやれば大丈夫。出来れば、ダークバックよりは暗室を利用したほうが、作業は楽
かもしれません。
リールに簡単に巻きこんでくれる道具もありますが、慣れてしまえばなんでこんなもの買っ
ちゃったんだろう・・と後悔するのが目に見えてます。とはいえ、どうしても巧く行かない
場合はお買い求め下さい。

作業の流れ・2 現像から定着・水洗・乾燥まで

前水浴

現像液と同じ温度に調整した「水」をタンクに入れ、タンクを少し高いところから落として衝撃を与え、リールの廻りに付いているであろう「気泡」を取り除きます。約1分ほど連続攪拌し、排出します。ただし、この前水浴行程↑は省いてもかまいません。
前水浴についてはこちらもご覧下さい。

現像液を入れる

可能な限り、速やかに現像液を注入し、注入完了後時計をスタートさせます。 まず、気泡を取り除く為に、タンクを少し高いところから落として衝撃を与え、 リールの廻りに付いているであろう「気泡」を取り除きます。 (見えないので、ある意味感覚的な作業となります) 現像データは、各フィルム に書いてあります。 はじめはそのとおりやってみるしかありません。 メーカーより発表されている主なデータについてははこちら をご覧下さい。

時計のスタート>>これは人によって違います。注入開始時に時計をスタートさせる人もいます。現像終了についても、時間が来てから現像液を排出する人と現像時間終了時に丁度「排出が終えるよう」終了前より現像液の排出作業に入る人と、それぞれです。 いずれにせよ、常に決めた方法で行えばよいと思います。

(メーカー発表のデータにこの点は明記されていません。結局自分で何度かテストするしかないんですねぇ。) 私は注入終了後時計スタート、時間がきてから、排出しています。

攪拌について

気泡を取り除いたら30秒~1分連続攪拌します。 後は1分当たり10秒、又は30秒あたり5秒攪拌します。
↑と習ってきましたが、最近のコダックの推奨では、初期攪拌については記載無しで、常に30秒に一度 少なくとも5秒で、5~7回ほどタンクを上下に反転せよ、となっているようです。

前水浴を行って、水泡ムラがクリアされてる確信があるなら、(上級者向きです) 初期攪拌をせず始めの1分は静止させたほうが現像ムラ(パーフォレーションムラ を抑える事が出来ます。 このパーフォレーションムラは、フィルムが周辺から現像が進行す るため起こるものを言います。特に35ミリフィルムは、パーフォレーションの穴の 周辺も、現像が早く進行する為、波模様のムラが出来易いのです。特に 横位置の写真で空の部分にこれが出ると大変見苦しいです。

一方、攪拌ムラは攪拌不足により起こります。これは出来方が一定ではありません。 特に高温、短い処理時間の場合や、ベルト式タンク等で起こり易いです。

ちなみに、水泡ムラは画面の一部に「泡」の形で円く出来ます。大きさは「泡」 の大きさにより大小できます。プリントするとその部分は「黒く」、且つ泡の縁 の部分は白く縁取られたようになります。まず焼きやスポッティングでは、修復不可能です。これができてしまったら致命的でしょう。(今時はデジタルで処理すればどうにでもなりますけどね)

« 正しい攪拌方法の例

上下に反転させます。注意この時の反転のスピードや、タイミング、勢いの強さ、上下方向への振幅の幅等は、タンクのサイズにも由るので、一概にこうしろ!という基準が明確ではありません。当然、老若男女、強さ、速さが異なってあたりまえで、最終的には「データというのは自分で採るしかない」ということが 攪拌作業ひとつ取ってもお分かり頂ける事と思います。攪拌の仕方によって、「攪拌ムラ」という物が起きます。 現像作業は、このムラとの戦いといえます。
« ムラになり易いとされる攪拌の例

上の例の他にも、タンクを水平に円を描く様に廻したり、カクテルシェイカーのように 上下に振る等の方法はそれ一つだけの方法で通して現像しますとムラが出易いとされています。但し、いくつかの方法を組み合わせて行なった場合は、一概になんともいえません。

現像時間が終わったら現像液をタンクから排出します。

定着液を入れる

通常の「迅速硬膜酸性定着液」で2分~3分、「硬膜酸性定着液」で5分~10分です。 詳しくは各薬剤の使用説明書を参照のこと。適宜攪拌します。最近のフィルムは「ピンクステイン」と呼ばれるハレーション防止層があり、定着(あるいは水洗、水洗促進浴)において落ちるようになっています。ネオパンプレストのステインは色が濃い割には比較的落ちやすい(QW浴で殆ど落ちます)のですが、T-max のそれはかなり頑固です。又、このステインは定着液の劣化を誘うようで可能な限り新品、処理本数は出来るだけ少なくするのが望ましいようです。さらに、この使用済み定着液を勿体無いからとプリント等に使用しようものなら印画紙がピンク色に染まります(笑)絶対やめましょう。

水洗

タンクの蓋をあけ、リールの中心部分に勢いの良い水を落とす感じで 水洗します。最低30分は行います。時々タンク内の水を総入れ換えしましょう。30分もたるい!って方は、「QW」等の水洗推進剤を用いれば、課程は増えますが 能率は上がります。(QWはたいていの大手カメラ屋で、2リットル用50円くらいで売ってます) この場合定着後1分流水で水洗、QW浴1分攪拌、5分流水で水洗します。

※注意: 水洗する水の温度にご注意を。夏場はともかく、冬場、水道水は冷たいですよね。給湯器からの温水で20度程度に調節するのは結構難しいです。水洗をしている最中に誰かが風呂入ったり、嫁が食器洗い始めたりして大量の温水をそちらに取られると、給湯器の性能によっては一気に水が冷える場合があります。また、お湯があまりに熱い設定のまま「ちょぼちょぼ」お湯を出し冷水で薄めている場合、水量が少ないと「お湯」を暖めるガスがお休みを決め込む場合があり、危険です(一気に冷水になる)。あまりに温度差があると「ちりめん皺」と呼ばれる、乳剤面がシワシワに変形する非常に悲しい結果になりますので十分ご注意下さい。ガスが時々休み休みになるタイプの給湯器をお使いの場合は、蛇口から直接タンクに水を注がず、一度バットなりビーカーなりに水を貯めるようにして温度差を緩衝させ、そこから溢れ落ちる水を使うなど工夫が必要となります。

乾燥

一度十分に水を含ませたスポンジ等を堅く絞り、フィルムの裏表両方から挟み込んで、拭います。その後埃の無い場所にクリップ等で吊るし、乾燥します。

私はやっていませんが、「フジ・ドライウェル」 等の「水滴防止剤」を使う場合は、最後に 指定時間溶液に浸し、その後拭わずに乾燥するか、あるいは、溶液に浸したスポンジでフィルムを挟み優しく拭い乾燥します。但し乾燥時間は延びますので、湿気の多い時期は埃、ゴミの吸着に十分気をつけること。フィルムドライヤーをお持ちの方にはお勧めします。

乾燥したフィルムは、速やかにネガシートにしまいます。

おまけ

「一体いつになったら、明るい所でフィルムを見て良いのか?」

現像処理は化学反応です。化学的には、現像液こそが潜像(フィルムに光の当たった場所に出来る未だ見ぬ映像)を表出(黒化させる。-潜像を「黒化銀」に変える)させます。したがって、「停止液を入れ、ある程度攪拌処理され、現像液の能力が完全に無くなった時」に光を当てても、その後 2度と現像処理されずに 定着工程へ進めば、問題は無いはずです。(定着液中で現像処理によって黒化されていない銀を流し去ります)

ただし、実際の作業上は、これには少々危険が伴います。まず、定着されていない状態で光を受けると言う事は、まだ黒化し得る可能性があるわけですから、 少しでも現像液の能力が残っていると「カブリ」ます。「停止液を入れ、ある程度攪拌処理され、現像液の能力が完全に無くなった時」を判断する事は実作業内では難関ですし、なにより、作業している本人が不安でしょう。

現実的には「定着液を入れて、ある程度攪拌処理され、(残留しているかもしれない)現像液の能力があろうとなかろうと、黒化する可能性のある銀が流れ去った後」フタを開けるのが、心情的(笑)に最も正しいと思われます。

ただ、化学的には、最初に述べた通り、完全に停止浴が済めば、光が当たっても黒くはならない、(*)というのは事実ですから、一応頭には入れといて損はないです。なにより、{うっかり、定着入れる前にフタ開けちゃった!}的なミス(―良くあります(^^ゞ)をしでかした際、焦って自暴自棄にならずに済みます。その為の知識とお考え下さい。

私の経験からすれば、1度大事なフィルムを現像中、勢い良く攪拌し過ぎて蓋がすっぽん!って取れちゃった事がありました。
わー!とは思いましたが、丁度 風呂場で作業していたので、ダメ元で、昨日の残り湯にリールごと投げ込んで、風呂の蓋を大部分閉めて、手だけ突っ込みリールをつかんで攪拌。現像はまだ途中でしたが、この状態からまた現像すれば、当然光を受けてますのでカブリを推進させるだけですから、多少画像が薄いのはあきらめて,定着処理をしました。

結果は・・・所々ちょっとカブってはいましたが、なんとか使えるレベルで、ほっとしました。まぁ、こんなこともあるよってなことで。

前水浴

現像液注入前にタンクにまず水を入れフィルムを水分になじませること、またはその工程を前水浴と言います。別にほこりを洗い流すといった意味ではありません。

現像液と同じ温度の水をタンクに入れ、タンクの底を堅い物に打ちつけ水泡を取り省き、1分程,攪拌します。その後しっかり水を廃棄し、現像液を注入し、現像処理に移ります。

この行程により、水泡ムラ(気泡ムラ)、パーフォレーションムラの発生を軽減できる場合がありますが、この水道水に含まれる塩素の影響で 現像液の能力が変化する事を嫌う人もいます。
そこで薬局等で売られている純水を使う、アルカリ剤を使う等が考えられますが、そこまでこだわるとなると現像液を溶解する水にもこだわらなければ(特にT_MAXDev等の濃縮タイプ)片手落ちになります。(水道水中の塩素は汲み置き、湯冷まし等である程度クリアできます)

又、ただの水の替わりに、水滴防止剤(ドライウェル等)を極少量加えたもので前水浴を行うとより水泡ムラにはかなりの効果があるそうですが現像濃度が薄くなるという意見もあります。私は行ったことはありません。

前水浴後の廃液の「色」について フィルムによっては前水浴後の廃液に色(紫、ピンク、青、青緑)がついています。 これは、ハレーション防止層が溶け出しているためです。 撮影後は不要になるため、定着やQW等の水洗促進浴、および水洗で 落ちるようになってます。(ピンクステイン、あるいは単にステインと呼ばれています)

「前水浴によって増感色素が流れてしまう為、感度が落ちる」と言った、ステインとこれを混同している人がいます。

増感色素とは、次のような物を言います。
ハロゲン化銀はそのままでは「青い光」しか感じません。人の見た目に近づけるために「感光色素」というのを添加するとより長波長の色を感光するようになります。これは、「分光増感」と呼び、その色素を増感色素と呼びます。これは、通常の感度を上げる為に行う「増感」とは違う物ですから、撮影後に流れてしまったとしてもISO実効感度が落ちるもので無いことはお判り頂けた事と思います。

それでも、前水浴によって、それを行う場合と、しない場合ではわずかに結果に違いが出ます。これは、前水浴の水質(ph)、又は 前水浴によりフィルムに含まれた水分が現像初期段階の現像の進行に影響を与えているものと考えられます。 この結果の違い・・というのが難しく、人によって「濃度が濃くなる」という人と 一方で「濃度が薄くなる」という人もあり、どっちじゃい!といいたくなりますが もしあまりに差が出るようだと、それは 前水浴以前 の問題である可能性のほうが高いです。
水道水が余りにpHが高い、前水浴の処理温度が現像液と違いすぎる、廃液時水きりが不足している、等の条件が重なった場合、かなりの差が出てしまうでしょう。

色々聞いたところ、薄くなるという人のほうが多いです。一方、前浴液に精水(薬局で売っているような物)を用い、厳密な温度管理のもと、
化学実験的に 解を求めると、「濃くなる」という話も聞きました。ま、ようするに、納得いくようデータを取るべしって事でしょう。
データ・・というと大げさですが、要するに何度もやってるうちにだんだん決まってくるもんです。毎回毎回厳密を規して出来る環境にある向きは それでデータをとれば良いわけだし、そうでない人はいつも使っている場所で、いつもやって いるように現像して、その積み重ねで 採った データこそ、各個人の有用な他に無い(他では使いまわしの効かない)あなたのデータです。

引っ越しなどで、水が変わる場合は、特に注意してみて下さい。 外国などに行けばかなり違うことは想像できます。

増感現像、減感現像

フィルムは現像時間が長くなればなるほど、現像温度が高ければ高いほど、さらに攪拌が多ければ多いほど現像が進み画像は黒く(濃く)なります。

従って、例えばISO400のフィルムを1600に設定して(露出を少なくして)撮影し、現像を長く、温度を高く、攪拌を多くすれば(これらを行為を「現像を押す」と呼びます)1600で写した画像を表出する事ができます。

これを、「増感」「増感現像」等と呼びます。 これとは逆に、露出を多めにとり、(例えば、400のフィルムを200に設定して撮影する、等)現像処理を少なめに、(現像を抑える、等とも呼ばれます)する事を、「減感」「減感現像」と呼びます いずれも各メーカーから実用範囲内のデータは出ておりますから、それを参考にして、加減してください。

増感現像

現像を押せばフィルムの感度が際限無く上がる・・というものではありません。化学反応ですから、限度があります。 増感・・・というよりも現像を押していきますと、見かけ上画像は濃くなったように見えます。明るい部分(撮影時、画面上で光の多く当たっていた場所)はどんどん濃度が増して行きます。 しかし、肝心の暗い部分はなかなか濃度は上がりません。つまり、どんどんコントラストが硬くなっていく(階調が少なくなっていく)のです。また、粒状性は格段に悪くなっていきます。勿論、表現方法として、わざとこれを利用する事もあります。

例えば、iso400~3200クラスのフィルムは、もともとそういう使い方も前提としていますから、2絞り分(4倍)位までは、だいたいどのメーカーからも処方が出ています。が、それ以上となると、綺麗な画像を手に入れるのは難しいでしょう。また、低感度フィルムを増感することは撮影時の露光不足、感度設定の間違い等の「失敗」の救済以外あまり意味のある事とは思えません。早いシャッタースピードが目的なら、始めから高感度フィルムを使うほうが良いでしょう。
(被写界深度だけ、が欲しいのなら、三脚使いましょう)

減感現像

増感はなんとなく目的が分り易い(笑)ので、やってみる人も多いのですが,減感は、なんのために感度を下げるのか??感度の高いフィルム程値段が高いじゃないか。勿体無い、と思われる方が殆どだと思います。露光オーバーの修正以外役にたちそうもないようですが、

実は減感こそ自家現像の本当の極意なんです。

ではなんのため?

簡単に言えば、ネガのコントラストを下げたいからです。難しく言えば、シャドー部からハイライトまでのディテールを階調豊かに表現したい・・(あるいは階調を自ら、コントロールしたい)からです。 例えば良く晴れた日の庭のテーブル、ひなたのまぶしい白いシーツのから、木陰の木の幹のディテールまでを表現したい・・

地中海の白い町並みを、まぶしい光そのままに、白い壁のディテールを飛ばすことなく、且つ、日陰にいる人々も黒くつぶす事無く表現したい(-.-)・・・ 例えが高尚すぎますか?

では身近なところで ビロード地の黒いワンピースを着た女性の胸元の脹らみを表現し、グラスに当たった照明の淡い光のコントラストを失いたくない・・(どんなシチュエーションじゃぃ・・)

「雪祭り」ではしゃぐ子供を、雪像バックに写したい・・・雪は飛ばさず、子供の顔は暗すぎずに・・どちらも犠牲にしたくない・・ 「雪」は難しいです。雪は非常に照度が高い。また、粒子が荒れると、雪は綺麗に写りません(きったなくなります)できれば微粒子に仕上げたいところです。

しかし、現像液の種類の項でも書きましたが、高精細、微粒子の フィルムは、それ自体コントラストが高い傾向があります。極端な例で、「マイクロフィルム」や、「コピーフィルム」は大変高精細ですが、画像はほとんど「白と黒の1bit」だけで構成されます。これでは階調表現どころではありません。 低感度フィルム用の「超微粒子現像液」はメトール単液処方がメインなのはこういった理由があるのです。(メトール単液はそれ自体感度が出にくい処方です。つまり、はなっから「(ある程度の)減感」を想定しているとも言えます) また、増感の項で書いたように、現像濃度が高ければ高いほどコントラストが増し、粒子は荒れてしまいます。したがって、現像濃度は可能な限り抑えたい=その分露光は増やそう=>減感となるわけです。

減感の効果は、増感のほぼ反対です。コントラストは下がり、粒子は細かい方向へ(特にハイライト部分の一番粒子が目立つ処が荒れるのを防ぐことができます。)・・・そして、実効感度は下がります。勿論増感と同じく、限度がありますし、その幅は狭く難しいものです。

>>>>要するに減感とは「コントラストの豊かな、俗に言う綺麗な写真を作る」ために行うのです。写真技術を極めようとすれば、当然ベクトルはこちら(減感)の方向へ向かうのが本筋でして、増感というものはどちらかといえば特殊技法といえるわけです。さらに、これを極めていって、被写体の照度差を最終プリントの階調まで想定してコントロール下に置く技術が、いわゆる「ゾーン・システム」です。

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