印画紙の種類
ベース
印画紙にはまず、大きな違いがひとつあります。それは、RCベース(メーカーによっては、RP、WP、SP、等と呼ばれています)とバライタベース(メーカーによってはファイバーベース等とも呼ばれています)です。
RCペーパーは、現在の主流の、ポリエチレンでコートされた、扱いの簡単なものです。利点として「水洗時間が短い(流水攪拌2~3分)事、平面性に優れている(というか後で述べますが、フラットニング(平面にする作業)が必要ない)点があげられます。
バライタ紙というのは、昔ながらのもので、作業効率に限って言えば、これほど面倒な物はありませぬ。が、しかし、バライタ紙こそ、プリントの王道だと考えてください。いかに作業が面倒かは、おいおい出てくるでしょう(-_-;) 美術館等に収納する作品の場合は、バライタ紙で焼くのが基本です。
とっかかりはRCで十分ですが、最終的にはバライタ紙を使用できるようになるといいです。
号数
印画紙のコントラストを指します。1号が柔らかく、5号はめちゃ硬い。とはいえ大抵2号~4号しか売ってない(笑)ので、この3つから選ぶ事となるでしょう。

(上の作例はシュミレーションです。)
一方多階調印画紙というのが現在主流になりつつあります。 これは、引き伸ばし機のレンズの前面にフィルターをかける、あるいは、カラー伸ばし機のフィルターを使用することによって、1枚の印画紙で自在にコンとラストが変えられるものです。一枚の写真の中に、「軟調」な部分と、「硬調」な部分とを混在させる事が可能で、これが一番のメリットといえるかもしれません。ただ、印刷原稿なのど場合は良いですが、プリントそのものを見せるような場合、場所によって極端に号数を替えると「色味」が微妙に異なる印画紙があります。最終的に調色をするような場合、特にセレニウム調色をするとこの色味の違いが目立ってきます。本当に微妙な違いですし、逆に効果を狙えたりもしますが、全体の色味を揃えたい場合は不利かもしれません。私は気にしませんけど。
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イルフォードのマルチグレード(=多階調印画紙)FB(=ファイバーベース=バライタ)
ウェイト
印画紙には 薄手、中厚手、厚手、超厚手、等の種類があります。RCペーパー等は中厚手が主流です。 高級バライタ印画紙は厚手~超厚手が主流です。安いものには昔ながらの薄手もあります。 厚けりゃ偉いか?っちゅーもんではないですが、まぁ、大抵高いもんほど厚いですな。
色調
多諧調印画紙が広まるにつれあまり重視されていないようですが、印画紙には「冷黒調」とか「温黒調」といった「黒色」の調子に違いがあります。
温黒は文字通り暖かい感じの黒。茶色、セピア寄りのものを差します。ただ、同じ温黒調と言っても赤っぽいのか茶色っぽいのか赤紫っぽいのとか色々です。同様に、青寄りだと冷黒調と呼ばれますが、これも青、青緑、青紫などメーカーによって様々です。
ただ、最終的に調色するとまた「ガラッ」と変るもの、全く変らないものなどありますし、現像時間の長短によっても異なります。
あまり詳しくない他人から見た場合、個展であれば気が付きにくい程度のものです。ただ、団体展だと差がはっきり分かります。他人の家のカラーテレビを見て「あれ、色が変」と思うようなもので、いつも同じ印画紙を使っていると気が付きにくいですが、並べるとはっきり違いが分かります。多諧調印画紙だと、柔らかい号数と硬い号数とでこの色味が異なったりします。
で、どうするか?ったって、そんなの好みですがな。好きな方にすれば良いかと思います。正解はありません。
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イルフォード マルチグレードFB ウォームトーン
テクスチャー
RCペーパーの場合は各自お好みのものを使えば良いかと思います。印刷原稿としては、光沢タイプを使用するのが一般的ですが、これも最近はどうでもよくなっちゃったようですね。まぁ、基本は、印刷原稿には光沢面、展示、鑑賞用には 微粒面や、半光沢紙 を使うのが一般的です。(RCの光沢面は展示した場合会場の照明等が写り込み易く、特に展示時の平面性が悪いと、とても安っぽくなります。)
バライタ紙は殆ど光沢タイプしか売っていない(勿論微粒面などもあるにはありますけど)ので、大抵は光沢紙を使います。ここで、注意して頂きたいのは、バライタの光沢面というのは、RCペーパーの光沢面とはまるで違う、と言う事。 RCの光沢紙は、いわゆるピカピカしたやつで、ネガカラーの同時プリントでおなじみの品です。
しかし、バライタの光沢紙というのは、普通に処理して、そのまま乾燥させても、RCペーパーの如きツルピカな面ではありません。もっと、しっとりとした、落ち着きのあるものです。昔は水洗後乾かないうちに、ある工程(フェロタイプ乾燥)を行い、つるつるの鏡面仕上げをした上で印刷原稿にしていたのですが、その風習はRCペーパーの普及、印刷技術の向上と共にほぼ絶滅いたしました。


