一般に「街の写真屋さん」でメーカーから市販 されている調合品に含まれる毒物、劇物は絶対量的にも、一般的に見ても、メーカーの説明書きに従って処理すればよし と考えて差し支えないと思います。特に、通常の市販の現像液や定着液等をメーカーの指示に従って取り扱う分にはあまり神経質になる必要は、現状ではありません。しかし、自分で薬品を調合する場合は、責任は自分に帰ってきますし、保護調色用の薬品には扱いに注意が必要なものも多くあります。どういう物質なのか?どこがどう危険なのか?と言う事を 知っておく事は 今後の環境問題や既に多くの薬品が簡単に手に入らなくなっている現状から見ると大切な事だと考えます。また、大学のサークル、研究室、ワークショップ等で毒劇物取扱い責任者の指導の元、処方に立ち会う機会もあるでしょう。そういった場合の予備知識としてご覧下さい。

塩化金

「劇物」 急性毒性物質 写真用としては、印画紙調色液に使われる。 事故の場合の医師到着までの応急処置 ◇目に入った場合:直ちに多量の水で15分以上洗い流す (まぶたを親指と人差し指で広げ、眼をあらゆる方向に動かす) ◇皮膚に触れた場合:直ちに汚染された衣服や、靴等を脱がせる。 直ちに付着部または接触部を石鹸水で洗浄し多量の水を用いて洗い流す。 ◇吸入した場合:鼻をかませ、うがいをさせる。 ◇飲み込んだ場合:口をすすぐ ----以上の措置をした上で医師の指示に従う。 火災時の措置 ◇周辺火災の際は速やかに安全な場所に容器を移す。 移動不可能な場合は容器、および周囲に散水し冷却する。 漏出時の措置 ◇飛散した場所の周囲の立ち入りを禁止する。 作業の際は必ず防護具を着用し、風下で作業をしない。 飛散した物は可能な限り空容器に回収し、ソーダ灰、 消石灰等の水溶液を用い処理後多量の水で洗い流す。 取り扱い、保管上の注意 ◇皮膚に触れた場合、放置すると赤色の斑点を残す。 加熱分解して有毒な塩化水素ガスおよび酸化金(III ) の煙霧を発生する。熱源や着火源から離し、 通風のよい乾燥した冷暗所に保管する。 廃棄上の注意 ◇水に溶かし水酸化ナトリウム、ソーダ灰等の水溶液を用い沈殿分解する。 回収して再利用する。

亜セレン酸ナトリウム

「毒物」 急性毒性物質, 水質汚濁防止法:人の健康に係る物質 写真用としては、印画紙調色液として使われる。 事故の場合の医師到着までの応急処置 ◇目に入った場合:直ちに多量の水で15分以上洗い流す (まぶたを親指と人差し指で広げ、眼をあらゆる方向に動かす) ◇皮膚に触れた場合:直ちに汚染された衣服や、靴等を脱がせる。 直ちに付着部または接触部を石鹸水で洗浄し多量の水を用いて洗い流す。 無菌の包帯で包む(火傷用包帯を使用しない) ◇吸入した場合:直ちに患者を毛布等でくるんで安静にさせ、 新鮮な空気の場所に移動、鼻をかませ、うがいをさせる。 呼吸困難、あるいは停止している場合は直ちに人工呼吸を行う。 ◇飲み込んだ場合:口をすすぐ。胃の内容物を吐かせる。 また、腎臓や腸からの排出を速める為に、多量の水分、ことに茶を飲ませ, また、下剤として、硫酸マグネシアを温湯に溶かして与えるとよい。 医師にかかる場合は必ず「何の薬品でこうなったか」を正しく伝える事 火災時の措置 ◇周辺火災の際は速やかに安全な場所に容器を移す。 ◇移動不可能な場合は容器、および周囲に散水し冷却する。 漏出時の措置 ◇飛散した場所の周囲の立ち入りを禁止する。 ◇作業の際は必ず防護具を着用し、風下で作業をしない。 ◇飛散した物は可能な限り空容器に回収し、後多量の水で洗い流す。 ◇排液が河川等に流入しないよう注意する。 取り扱い、保管上の注意 ◇強酸、湿気と接触させない。 ◇加熱されると有毒な酸化セレン(IV)の噴霧を発生。 ◇熱源や着火源から離し、通風のよい乾燥した冷暗所に保管する。 廃棄上の注意 希硫酸を加え酸性にし、硫化ナトリウム水溶液を加え沈殿させる。 セメントを用いて固化し、溶出試験を行い、溶出量が判定基準以下である事を確認して 埋め立て処分する。 多量の場合は加熱し、蒸発させて亜セレン酸ナトリウム,亜セレン酸バリウム、 二酸化セレンとして捕集回収を行う

メチルアルコール(メタノール)

「劇物」 第2種有機溶剤、危険物第4種 大気汚染防止法:特定物質 急性毒性物質、引火性液体 写真用としては、極稀に現像主薬を溶解する為に現像処方に加えられている。 (酒類に含まれる「エチルアルコール(エタノール)」とは別物である点に十分注意すること。 事故の場合の医師到着までの応急処置 ◇目に入った場合:直ちに多量の水で15分以上洗い流す (まぶたを親指と人差し指で広げ、眼をあらゆる方向に動かす) ◇皮膚に触れた場合:直ちに汚染された衣服や、靴等を脱がせる。 直ちに付着部または接触部を石鹸水で洗浄し多量の水を用いて洗い流す。 ◇吸入した場合:直ちに患者を毛布等でくるんで安静にさせ、 新鮮な空気の場所に移動、呼吸困難、あるいは停止している場合は 直ちに人工呼吸を行う。 ◇飲み込んだ場合:口をすすぐ。意識がある場合のみ、吐かせる。 (吐かせる場合は保護手袋を着用) 火災時の措置 ◇周辺火災の際は速やかに容器を安全な場所に移す。 移動不可能な場合は、容器および周辺に散水して冷却する。 容器が火災に包まれた場合は、爆発のおそれがあるのでけして近づかない。 周辺住民を避難させる。 着火した場合、多量の水、炭酸ガスを用いて消火する。作業の際は必ず保護具着用